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相続税の基本がわかる入門ガイド - 基礎控除・税率・節税の正しい順番

相続税の基本がわかる入門ガイド - 基礎控除・税率・節税の正しい順番

Toolspot公開日: 2026/4/22

「相続税はお金持ちだけの話」と思われがちですが、都市部に持ち家があれば誰にでも関係する税金です。本記事では、相続税の基本構造と、最初に検討すべき節税の優先順位を整理します。

相続税は「全員が払う」税金ではない

まず大前提として、相続税には 基礎控除 があり、これを超えた部分にのみ課税されます。

基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円

被相続人(亡くなった方)の遺産総額がこれを下回れば、相続税はかからず申告も不要です。実際、相続税の課税対象になるのは 全相続の約9〜10% に過ぎません。

「遺産総額」に含まれるもの・含まれないもの

意外と知られていないのが、相続税の対象になる財産の範囲です。

課税対象となる財産

  • 預貯金・現金
  • 有価証券(株式・投資信託・国債等)
  • 不動産(土地・建物)
  • 自動車・貴金属・美術品
  • 生命保険金(一定額超)・退職手当金
  • 死亡前3年〜7年以内の贈与(暦年課税の場合)

非課税となる財産

  • 墓地・墓石・仏壇・仏具
  • 国・地方公共団体への寄付
  • 生命保険金のうち「500万円 × 法定相続人」までの部分
  • 退職手当金のうち「500万円 × 法定相続人」までの部分

法定相続人が3人なら、生命保険金1,500万円までが非課税。これは大きな枠です。

相続税の税率は「10%〜55%の累進課税」

各相続人の取得分に応じて、次の税率が適用されます。

取得分(控除後) 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

たとえば取得分が5,000万円なら、5,000×20% − 200万円 = 800万円が相続税額となります。

具体的な税額シミュレーションは相続税シミュレーターで確認できます。

配偶者の税額軽減 - 配偶者は1.6億円まで非課税

配偶者には強力な特例があります。

配偶者は、相続財産の法定相続分(または1億6,000万円)までは相続税ゼロ

つまり、配偶者がもらう財産は実質的にほぼ無税になることが多いです。ただし、二次相続(配偶者が亡くなったときの相続)では、この軽減は使えません。子どもに渡るタイミングで税金が一気に増えるため、一次相続と二次相続の合計で最適化する戦略が必要です。

小規模宅地等の特例 - 自宅は最大80%減額

被相続人が住んでいた自宅を、配偶者または同居親族が相続する場合、330㎡まで土地の評価額が80%減になります。

減額前 減額後
都内一戸建て土地(200㎡・1.5億円) 1.5億円 3,000万円
マンション敷地(持分50㎡・5,000万円) 5,000万円 1,000万円

この特例だけで、税負担が劇的に下がります。要件があるので適用可否は税理士に相談するのが安全です。

生前贈与 - 節税には「順番」と「贈与税」の理解が必要

「生前にお金を渡しておけば相続税がかからない」と思われがちですが、贈与にも 贈与税 がかかります。相続税より高くなるケースもあるので注意が必要です。

暦年贈与(年110万円までの基礎控除)

毎年1人あたり110万円までの贈与は贈与税ゼロ。子3人に毎年110万円ずつ10年贈与で3,300万円を移せます。

ただし、令和6年から「死亡前7年以内の贈与は相続財産に加算」というルールに変更されました(従来は3年)。長期的な計画が必要です。

相続時精算課税制度

2,500万円までは贈与税ゼロで贈与でき、相続時に精算する制度。令和6年から「毎年110万円の基礎控除」が追加され、使い勝手が大きく向上しました。教育資金贈与や住宅取得資金贈与とは別枠で、戦略的に組み合わせられます。

教育資金・住宅取得資金の特例

  • 教育資金一括贈与:1,500万円まで非課税
  • 住宅取得資金贈与:1,000万円まで(省エネ住宅)

特定目的の贈与は税金がかからない枠が大きいので、目的に合えば最優先で活用すべき制度です。

相続対策の優先順位

優先度 対策 目安効果
1 小規模宅地等の特例の要件確認 数百万〜数千万円
2 生命保険の非課税枠(500万×人数)活用 数十万〜数百万円
3 二次相続まで含めた配偶者控除の最適化 数百万〜数千万円
4 暦年贈与・精算課税の活用 数十万〜数百万円/年
5 不動産の評価額引き下げ(賃貸化等) 数百万円規模

最大の節税は税理士に相談すること」と言われるほど、専門知識による差が大きい分野です。資産5,000万円超なら一度は相談しておくと安心です。

相続税の申告期限と注意点

  • 申告期限:被相続人の死亡を知った日の翌日から 10ヶ月以内
  • 期限を過ぎると延滞税・無申告加算税が発生
  • 申告は税務署、または税理士経由
  • 配偶者控除・小規模宅地特例は 「申告すること」が要件(無税でも申告は必須)

申告不要のラインを超えていないかどうかは早めに確認しましょう。

まとめ - 「いくらから課税か」を最初に確認する

  • 基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 配偶者は1.6億円または法定相続分まで非課税
  • 自宅は小規模宅地等の特例で最大80%減
  • 生命保険金は500万×人数まで非課税
  • 死亡前7年以内の暦年贈与は相続財産に加算

相続税シミュレーターで、自分の遺産総額・相続人数を入力すれば概算税額がわかります。基礎控除を超えそうなら、早めに対策を始めるほど選択肢が増えます。

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