住宅ローンを検討する際、多くの人が最初に悩むのが「変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきか?」という問題です。2026年に入り、日銀の利上げにより変動金利は15年ぶりに1%台に突入し、固定金利も上昇が続いています。
「金利のある世界」に転換した今こそ、正しい判断基準を持って住宅ローンを選ぶことが重要です。この記事では、それぞれの特徴と2026年最新の金利動向を踏まえた選び方を解説します。
2026年4月の住宅ローン金利の現状
まず、現在の金利水準を把握しておきましょう。
| 金利タイプ | 金利水準(2026年4月) | 特徴 |
|---|---|---|
| 変動金利 | 0.9〜1.1%台 | 15年ぶりの1%超え |
| 10年固定 | 2.5〜3.0%台 | 長期金利上昇を反映 |
| 全期間固定(フラット35) | 2.49% | じわじわ上昇中 |
変動金利と固定金利の差は**約1.5%**です。この差をどう捉えるかが、選択の大きなポイントになります。
今後の見通し
日銀の政策金利は現在約0.75%ですが、2026年末までに1.0%程度まで上昇するとの予測が出ています。これに伴い、変動金利も段階的に上がる見込みです。一方、固定金利のベースとなる長期金利は2026年後半に1.90%程度まで上昇すると予測されており、固定金利もさらなる上昇が見込まれます。

変動金利のメリット・デメリット
メリット
- 金利が低い:固定金利より約1.5%低く、月々の返済額を抑えられる
- 金利低下の恩恵:市場金利が下がれば返済額も減る
- 競争による優遇:銀行間の競争で優遇幅が大きい
デメリット
- 金利上昇リスク:将来の返済額が増える可能性がある
- 返済計画が不安定:総返済額が確定しない
- 精神的な負担:金利動向を常に気にする必要がある
5年ルール・125%ルールとは?
変動金利には返済額の急激な上昇を防ぐ仕組みがあります。
- 5年ルール:金利が上がっても、5年間は返済額が変わらない
- 125%ルール:返済額の見直し時も、前回の125%を上限とする
ただし、これは返済額の話であり、金利が上がった分の利息はしっかり発生します。返済額は変わらなくても、元金の減りが遅くなる点に注意が必要です。
固定金利のメリット・デメリット
メリット
- 返済額が確定:借入時に総返済額が決まり、家計の見通しが立てやすい
- 金利上昇の影響を受けない:どれだけ金利が上がっても返済額は変わらない
- 安心感:将来の不確実性から解放される
デメリット
- 金利が高い:変動金利より約1.5%高い初期コスト
- 金利低下の恩恵がない:市場金利が下がっても返済額は変わらない
- 借り換えにコストがかかる:有利な条件が出ても手数料が発生する
返済額シミュレーションで比較する
具体的な数字で比較してみましょう。借入額4,000万円・35年返済の場合を見てみます。
| 項目 | 変動金利(1.0%) | 固定金利(2.49%) |
|---|---|---|
| 月々の返済額 | 約112,914円 | 約142,698円 |
| 年間返済額 | 約135.5万円 | 約171.2万円 |
| 総返済額 | 約4,742万円 | 約5,993万円 |
| 利息総額 | 約742万円 | 約1,993万円 |
月々の差額は約3万円、総返済額の差は約1,251万円にもなります。
ただし、変動金利が今後上昇した場合の試算も重要です。
| シナリオ | 変動金利の推移 | 総返済額(概算) |
|---|---|---|
| 金利据え置き | ずっと1.0% | 約4,742万円 |
| 緩やか上昇 | 10年後に2.0% | 約5,200万円 |
| 急上昇 | 5年後に3.0% | 約5,800万円 |
変動金利が1.5%以上上昇し、それが長期間続くと、固定金利を選んだ方が有利になる可能性があります。ご自身の借入条件で正確にシミュレーションしたい方は、住宅ローン計算ツールをご活用ください。

あなたに合った金利タイプの判断基準
変動金利が向いている人
- 借入額が少なめ(年収の5倍以下)で、金利上昇にも耐えられる
- 繰上返済を積極的に行う計画がある
- 共働きで収入に余裕がある
- 住宅ローン控除期間中に多く返済する予定
- 金利動向をチェックし、必要に応じて借り換えできる
固定金利が向いている人
- 長期間同じ住まいに暮らす予定(20年以上)
- 教育費や老後資金など将来の大きな支出が控えている
- 収入が大きく増える見込みが少ない
- 返済額の変動による精神的ストレスを避けたい
- 家計管理をシンプルにしたい
迷ったら「ミックス返済」も選択肢に
どちらか一方に決められない場合、借入額の一部を変動、残りを固定にするミックス返済という方法もあります。たとえば4,000万円のうち2,000万円を変動、2,000万円を固定にすることで、低金利のメリットを享受しつつ金利上昇リスクを分散できます。
まとめ - 「返し続けられるか」が最も大切な判断基準
住宅ローン選びで最も重要なのは、「どちらが得か」ではなく「最後まで無理なく返済し続けられるか」という視点です。
- 変動金利:金利上昇に備えられる余裕があるなら、低金利のメリットを活かせる
- 固定金利:安定した返済計画を最優先するなら、多少の金利差は安心料として妥当
- ミックス返済:リスク分散しつつ両方のメリットを取りたい人向け
2026年は「金利のある世界」が本格化した年です。どの金利タイプを選ぶにしても、まずは住宅ローン計算ツールで具体的な返済額をシミュレーションし、ご自身の家計に合った無理のない返済計画を立てることから始めましょう。
